アバクロAbercrombie & Fitchは、他のブランド同様、徐々に店舗を再開し始めました。
しかしながら、新型コロナウイルスのパンデミックな空気感がまだまだ漂っていそうです。
アバクロの第一四半期売上は、34%下落し、4.85億ドルでした。
コロナパンデミックの影響を受け、北アメリカにある同社アバクロとホリスターHollisterの
ほぼ全店舗850店舗を一時的閉鎖したのが要因です。
CEOのFran Horowitz氏曰く、
「お店は再開し稼働し始めたが、根本的に違う新ルールに従いながらである。」
「バランスをとらなければならず、差し引きをしながらお客様との距離を保って
いかなければならない。」
と、アナリストとの会見後のインタビューで答えました。
同社は、マーケティングフィー、在庫調整、与信の見直し、44,000人の従業員と36,000人のパートタイマ―の多くを一時解雇するなどして、2億ドルの支出削減をしています。
現時点では、409店舗が再開(45%の売上規模)しており、6月に向けて徐々に残りの店舗も
再開していきます。アジア圏より北アメリカ、ヨーロッパ圏の方が若干顧客の戻りがいいと
同社は言っているものの、実際に再開した店舗は時短で営業しており、まだまだお客様の
入りは鈍いのが現状のようです。
ただ、CFOのScott Lipeski氏は、
「パンデミック前の状況の北アメリカは80%、ヨーロッパ圏は60%の生産性ではあるが、
時短で営業しているのでその分労働力も減っている。」
とも言っています。
アバクロは、2月初旬時点で6.71億ドルのキャッシュを手元に準備していました。
また、店舗閉鎖が長引いているため、信用枠を使用し2.1億ドル、自社株買いを止め、
退職金などの社内報酬制度を見直し、5,000万ドルを追加で資金調達をしました。
同社は、この1年の収益性を前向きには推測していません。
実店舗に関しての変更は何も公表していませんが、Horowitz氏とLipeski氏は、
「各店舗のこの1年の業績をシビアに評価していく」としています。
フラッグシップ店舗を含む200店舗を既に閉鎖しており、今後不動産そのものを
どうしていくかの検討に入っています。また、200店舗ほどのリーズ契約は今年末まで
となっています。
「オムニチャンネル小売になることが我々のゴールであり、そのためにも適正な場所、
適正な大きさ、適正な規模が必須である。我々の顧客の多くはオムニチャンネル化
しているので、これからは、店舗数ではなく、いかに適正な場所にあるかが重要。」
「そのためにも、面積当たりの生産性、坪売上を検証していく 」とHorowitz氏は、
インタビューを結びました。
400店舗以上が再開したとはいえ、東海岸、西海岸の主要都市では、未だ営業再開にたどり
つけていません。Eコマースでは、Klarna社と提携し、利子なし4回の分割払いのサービス
提供をしたり、THREADUPとタイアップし、消費者を盛り立てようとはしていますが、
同社のサイトをみると、UP TO 50% OFF、PLUS, 25% OFF ENTIRE PURCHASE
と、売上確保に必死になっているのも見え隠れしています。
実は、意外とブランドの歴史は古く、1892年にニューヨーク州でスポーツショップとして
創業し、1904年から今のブランド名になっています。高品質なキャンプ・狩猟関連用品の
販売から始まり、アウトドア系、ヴィンテージ風カジュアルブランドを経て、
いまのカジュアルながらも健康的なセクシーさがあるファッションブランドへと変身して
います。変化をしながら、今に至っているそんな歴史のあるブランドです。
コロナ禍の中もうまく立ち回り、これからも進化していくことを期待したいです。
参考:COLUMBUS BUSINESS FIRST
公式ホームページAbercrombie & Fitch
フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」
写真:公式LinkedInサイトAbercrombie & Fitch Co.より
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